今月の一冊『歌う自画像』(笠置シヅ子)
NHK朝の連続テレビ小説「ブギウギ」も大変面白かったですが、それをさらに上回るのが、この笠置シヅ子の自伝です。まさに「事実は小説より奇なり」を地で行く面白さです。「東京ブギウギ」が流行した1948年、人気絶頂期に笠置が記したもので、戦後の日本社会の生々しさも随所に感じ取ることもできます。
巻末で笠置に寄せる林芙美子、旗一兵、服部良一、エノケンの文章からも彼女の人柄が慕ばれます。
(もっと前に朝の連続テレビ小説の題材になっていてもおかしくなかったのにとも思います。)