黒鍵ペンタトニック 「証城寺の狸囃子」(中山晋平)
今エントリーからしばらく中山晋平を特集します。
中山晋平の曲は、大きく3分類できると思います。第1が「流行歌」、第2が「新作民謡」、そして第3が「童謡」。この分類毎に数曲ずつ眺めていきたいと思います。まず今回はそのイントロダクションです。
今回取り上げる「証城寺の狸囃子」はやはり中山晋平の代表作だと強く思うのです。この曲は前述の3分類の要素を全て含むからです。一応この曲は「童謡」とされますが、「新作民謡」の要素も含みます。そして何といっても強力な「流行歌」でもあります。近年でも2021年放送のNHK朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」でこの曲が使用され、大正末期の曲が時代を超え、令和の現在にも通用。改めてこの曲が骨太なポップソングであることを思い知らされました。
なおこの曲は何かと英語と縁の深い曲でもあります。1946年、ラジオ「カムカム英語」の主題歌に用いられたことはもちろん、1951年には、日本にジャズブームの火をつけたジーン・クルーパ・ジャズトリオがこの曲を録音します。さらに1955年にはアーサー・キットが英語詞で歌唱しています。
なお、この曲は1か所を除いて、四七抜き長音階で作られていて「晋平節」そのものといえます。