黒鍵ペンタトニック 「春よ、来い」(松任谷由実)
「春よ、来い」(松任谷由実)
さて「春よ来い」がタイトルになる曲を紹介するのはこれで3回目(正確には今回の曲名には句点が入ります。)。やはり春を待ち乞う気持ちはつい5音のペンタトニックで表したくなってしまうのでしょう。
さてこの曲の作者は「ユーミン」こと松任谷由実です。ユーミンと前回触れた「はっぴいえんど」とは縁が深く、荒井由実としてデビューしてからしばらくバックバンドを務めたのが、解散した「はっぴいえんど」の細野晴臣・鈴木茂が新たに立ち上げた音楽ユニットであるキャラメル・ママ(ティン・パン・アレー)。ちなみにドラムに林立夫、キーボードに松任谷正隆が参加します。ジブリ映画でもおなじみの「ひこうき雲」「やさしさに包まれたなら」の演奏はこのメンバーの手によります。さらに「はっぴいえんど」の元ドラマーで、作詞家に転身した松本隆が実質的にプロデュースした松田聖子プロジェクトにもユーミンは、呉田軽穂のペンネームで作曲陣に加わり、「赤いスイートピー」等のヒット曲を連発。
さてこの曲は1994年に発表された松任谷由実名義のシングル曲です。曲全体は自然短音階(ラシドレミファソラ)で出来ています。自然短音階の名曲は多く、藤山一郎「青い山脈」、ジュディ・オング「魅せられて」等、枚挙にいとまがありません。そしてこの曲はサビで二六抜き短音階となり、上記の譜面は黒鍵だけで弾けるのです。