黒鍵ペンタトニック 「紅屋の娘」(中山晋平)
「紅屋の娘」(中山晋平)
中山晋平が作曲家のキャリアを劇中歌の作曲でスタートしたのは、「ゴンドラの唄」を紹介した時に述べた通りです。
昭和になり、新メディアである映画の誕生以降、晋平についてまわるのが映画での「劇中歌」です。1928年、アメリカの無声映画「マノンレスコオ」に日本独自の主題歌「マノンレスコオの唄」を晋平が作曲してヒット。以降、国内制作の映画でも主題歌を作るのが習慣化します。その最初が映画「東京行進曲」(1929年)で主題歌を晋平が作曲します。映画公開に先立ちレコードを販売したところ、25万枚の売上げを越える大ヒットとなります。映画とタイアップした晋平作曲の主題歌は「愛して頂戴」「唐人お吉の歌」「アラその瞬間よ」「この太陽」等々次々とヒットしていきます。(ただしこれらのヒット曲はみな四七抜き短音階で作られているので、残念ながら黒鍵だけでメロディを弾くことはできません。)
今回は晋平最大のヒット曲「東京行進曲」のカップリングのB面、「紅屋の娘」を紹介します。この曲は四七長音階で出来ているので、黒鍵だけで演奏できます。なおこの曲のレコードでピアノ伴奏を務めるのは作曲家である晋平自身です。