猫ふんじゃった~楽譜の見た目にご用心~
小学校の音楽の授業の前後の休み時間など、教室のオルガンや鍵盤ハーモニカで、友だちたちがにぎやかに「猫ふんじゃった」を速弾きして遊んでいたのを思い出します。
私はピアノを習っていたにもかかわらず、その輪に加わることが出来ませんでした。というのもどう弾くのかを知らなかったからです。きっといつかレッスンで習うだろうと思っていたのですが、結局習うことはありませんでした。
その理由はきっとその譜面のせいにあるのでしょう。以下の譜面が「猫ふんじゃった」の冒頭です。
調号の数が♭(フラット)6つの変ト長調です。その譜面の強面ぶりにはつい近寄りがたいオーラがありつい敬遠したくなります。ですが、手遊びのつもりで指先の感触で鍵盤位置を覚えてしまえば、譜面要らずで案外弾けてしまうのです。
このように楽譜の見た目が難しそうでも、楽に覚えてしまう場合もあれば、楽譜が簡単そうに見えても覚えにくい場合もあります。例えば調号のない白鍵ばかりのハ長調の曲は、最初の譜読みは比較的楽に進みます。ですが、凹凸のない平坦な白鍵ばかりなので一度弾けても指先の感触で覚えるのに苦労することがあります。一方、調号の多い変ト長調では、「ド♭」が白鍵の「シ」と同じ位置になる等、譜読みがやや面倒です。でも黒鍵の凹凸に触れられるおかげで、一度弾けるようになってしまえば指先の感触で覚えてしまえるのです。
楽譜の見た目でつい弾き易さを判断したくなりますがくれぐれもご用心ください。