黒鍵ペンタトニック 「ほたるこい」
「ほたるこい」
前回に引き続いて、今回も4つの音、しかも全て黒鍵(下からミ♭・ソ♭・ラ♭・シ♭)で弾けるわらべうたを紹介します。その第二弾は「ほたるこい」です。
この曲は、おおよそどの楽譜でも、「わらべうた」とのみ表記されていて、作者不詳の曲として扱われています。ところが鳥取県の公式サイト及び鳥取県の商工会議所のホームページでは、三上留吉(1897~1962)なる人物が作者として紹介されています。この2つのサイトを要約すると、三上氏のプロフィールは以下になります。
鳥取師範附属小学校に教員として勤務する傍ら、大日本少年団(ボーイスカウト)のリーダーとして活動し、多くの野外ソング、ゲームソングなどを作曲しました。昭和初期からは、鳥取県内の民謡や小唄の作曲・採譜を活発に行い、昭和8年(1933年)に「ほたるこい」が、日本音楽協会編纂の「児童唱歌」の1曲として採択されました。
この三上版の譜面が全国に広まり、上記のメロディが今日のスタンダードになったようです。前回の「かごめかごめ」もそうですが、わらべうたの伝播における小学校教員の大いなる貢献をうかがい知ることができます。