黒鍵ペンタトニック 「うちで踊ろう」(星野源)
「うちで踊ろう」(星野源)
これまでの災害であれば、チャリティイベントなどで音楽はいち早く社会貢献出来ました。ですがこのコロナ禍では、「三密」の問題もあり、その力が発揮しにくかったといえます。
そんな中ミュージシャン星野源氏がインスタグラムで発表した「うちで踊ろう」は多くの人とのコラボレーションで明るい話題となり、音楽が果たした数少ない社会貢献だったと思います。
ではなぜコラボレーションが多くの人にされたのか?この曲のメロディがたった4音でできているのがその要因と考えます。しかも四七長音階のペンタトニック(5音階)の中にこの4音は含まれます。
ブルースやジャズの即興演奏(アドリブ)の基礎はペンタトニックです。5音だけで即興をする分には、どれだけ無茶をしても破綻することなくセッションはできます。こうしたブラックミュージックをルーツに持つ星野氏が、このようなことを踏まえ即興的にコラボレーションし易くするためにあえて4音で作曲し、「お題を出した」のだと思われます。
「恋ダンス」でもおなじみの『恋』をはじめ、星野氏は数々の曲で五音階で作曲するペンタトニックの使い手です。なお元々バンド活動をしていた星野氏のソロデビューを促したのが、前回の「星めぐりの歌」の時にも触れた細野晴臣氏でもあります。なかなかいろいろと意味深な気もします。