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黒鍵ペンタトニック 「砂山」(中山晋平)

「砂山」(中山晋平)

文学か音楽かでその進路を悩んでいた中山晋平が、東京音楽学校に進学して何をしたかったのか?

郷里の兄への手紙にその一端が垣間見えます。「小生はピアノや唱歌がアマリ上等の口ではなけれど幾分文学的の素養があるため来年から特に技術部の外に楽歌部といふ主に作歌作曲の科を置いて貰へることに略交渉がまとまりかけて候」。晋平のいう「作歌作曲」とは高尚な芸術音楽ではなく人々が口ずさめる歌を作ることを指します。若き晋平には新たな分野を開拓すべく学校に交渉するまでの強い情熱がありました。(残念ながらこの交渉は失敗に終わりますが…)

卒業後、流行歌の若手作曲家として一躍台頭した晋平は、学生時代のその思いを実現に移していきます。折しも児童文学の機運も高まり、1918年に雑誌「赤い鳥」が創刊。従来の「唱歌」とは異なる新たな「童謡」が誕生します。晋平も1919年までには本格的に童謡の作曲に携わります。そして数々の名作を残すことになります。今回はその中で1922年に作曲した「砂山」を紹介します。この曲は晋平がお得意の5音階(ペンタトニック)で作られていますので黒鍵だけで演奏できます。なお作詞は北原白秋。同じ詩に山田耕筰も曲をつけているのは大変興味深いところです。

中山晋平の「砂山」(歌唱は渥美清)

山田耕筰の「砂山」(歌唱は同じく渥美清)

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