- 春日部で40年。あなたの街の音楽教室。ミュージックファームぷりま

ピアノ・声楽・ギター・バイオリン・フルート・クラリネット

BLOG

黒鍵ペンタトニック 「青い眼の人形」

「青い眼の人形」(本居長世 作曲)

劇作家、島村抱月の書生との二足の草鞋で、東京音楽学校で学んだ中山晋平。当然その生活は楽ではなく、ピアノ科に進んだもののピアノは所持していませんでした。

その晋平に助け舟を出したのが、先輩で東京音楽学校の教員になったばかりの兄貴分、本居長世(1885~1945)でした。長世は自身が所有する古くなったピアノを安価で晋平に譲渡すると言うのです。さっそく晋平は郷里の兄に手紙で相談します。が、やはり大金であったためその時は断念せざるを得ませんでした。

本居長世は、国学者、本居宣長に連なり、祖父もまた国学者でした。国学者になってもらいたい祖父の期待に反し、長世は音楽家への道を進みます。当初はピアニストを目指しますが、脳溢血の後遺症で断念。以降作曲家として活躍します。「七つの子」「赤い靴」「十五夜お月さん」等、数多くの童謡の名曲も残します。長世の曲のメロディは半音進行を用いることで、色彩感を出すのが特徴なので、ペンタトニック(5音階)だけで書かれた曲はあまりありません。

ですが、「青い眼の人形」の主要部はペンタトニック(5音階)で作られているので、今回紹介いたします。(曲の中間部で転調し、曲調が大きく変化してしまいますので、その触りだけ。)

なお長世の東京音楽学校の主要な教え子には、中山晋平はもちろん、弘田龍太郎も含まれます。

(1921年ニッポノホン 歌うのは長世の長女みどり、ピアノ伴奏は作曲者である長世本人)

最新ブログ

2025年5月25日
黒鍵ペンタトニック「ライディーン」(Y.M.O.)
image
「ライディーン」(Y.M.O./高橋幸宏作曲) 再びY.M.O.に話題を戻します。1979年8月のロサンゼルス公演の成功で逆輸入的に国内で... 続きを読む
2025年5月18日
ぷりま音楽歳時記 3-1.ハ長調
image
<ハ長調> この「ぷりま音楽歳時記」も三巡目に入ります。まずは調号なしのハ長調。作曲家リムスキー=コルサコフは「白」とこの調を色聴していま... 続きを読む
2025年5月11日
今月の一冊『ヤクザときどきピアノ』
image
『ヤクザときどきピアノ』 今回は内容が良いのに、タイトル・装丁のせいで損をしているであろうこの本を紹介します。 「サカナとヤクザ」等、暴... 続きを読む

ブログをすべて見る

最新ブログBlog

2025年5月25日
黒鍵ペンタトニック「ライディーン」(Y.M.O.)
image
「ライディーン」(Y.M.O./高橋幸宏作曲) 再びY.M.O.に話題を戻します。1979年8月のロサンゼルス公演の成功で逆輸入的に国内で... 続きを読む
2025年5月18日
ぷりま音楽歳時記 3-1.ハ長調
image
<ハ長調> この「ぷりま音楽歳時記」も三巡目に入ります。まずは調号なしのハ長調。作曲家リムスキー=コルサコフは「白」とこの調を色聴していま... 続きを読む
2025年5月11日
今月の一冊『ヤクザときどきピアノ』
image
『ヤクザときどきピアノ』 今回は内容が良いのに、タイトル・装丁のせいで損をしているであろうこの本を紹介します。 「サカナとヤクザ」等、暴... 続きを読む

ブログをすべて見る