- 春日部で40年。あなたの街の音楽教室。ミュージックファームぷりま

ピアノ・声楽・ギター・バイオリン・フルート・クラリネット

BLOG

黒鍵ペンタトニック 「柔」(美空ひばり)

「柔」(美空ひばり)

前回に引き続き、美空ひばりの曲を取り上げます。前回はそのレパートリーの幅広さについて触れましたが、今回は「演歌の女王」である美空ひばりに焦点を絞っていきたいと思います。

戦後、三橋美智也の民謡調歌謡曲や、三波春夫の浪曲調歌謡曲が流行しました。そこで戦前から活躍する大御所作曲家、古賀政男が目をつけたのが、浪曲師・村田英雄でした。「無法松の一生」「人生劇場」と古賀が作曲した曲を歌うもののヒットには至りません。

ところが、1961年、当時、新鋭の若手作曲家であった船村徹が、村田へ「王将」を提供します。すると戦後初のミリオンセラーとなり、爆発的にヒットします。自らが発掘した歌手を生意気盛りの若手作曲家に横取りされての大ヒット、ベテランの古賀は忸怩たる思いをしたに違いありません。それから3年、東京五輪の1964年。歌手として円熟期に達した美空ひばりに古賀は「柔」を提供。180万枚を売り上げ、ベテランの面目躍如となります。

なおこの曲は全編、四七長音階。船村も得意とする田舎節を用い、さながら古賀の横綱相撲。後の「悲しい酒」(1966年)と共に、ひばりの代表曲となります。そしてこの曲は当時確立したばかりの昭和演歌の雛型にもなります。

最新ブログ

2024年7月21日
ぷりま音楽歳時記 2-15.ロ短調
image
<ロ短調> ロ短調の調号は♯が2つ。マッテゾン曰く、「奇妙で、喜びを欠き、憂鬱」な調。確かに主音シは白鍵の中では不安定な音。それゆえシリア... 続きを読む
2024年7月14日
今月の一冊 大石始著『ニッポン大音頭時代』
image
『ニッポン大音頭時代』 大石始著/河出書房社/ISBN(13)978-4309276137 すっかり日本の伝統とばかり思いこんでいた音頭... 続きを読む
2024年7月7日
録音で「やったつもり」練習にならないように
image
私は普段、必要最低限しか鏡は見ません。セルフポートレイトも苦手で、古くはプリクラ、現在ではスマホの自撮りはほとんどやったことがありません。それど... 続きを読む

ブログをすべて見る

最新ブログBlog

2024年7月21日
ぷりま音楽歳時記 2-15.ロ短調
image
<ロ短調> ロ短調の調号は♯が2つ。マッテゾン曰く、「奇妙で、喜びを欠き、憂鬱」な調。確かに主音シは白鍵の中では不安定な音。それゆえシリア... 続きを読む
2024年7月14日
今月の一冊 大石始著『ニッポン大音頭時代』
image
『ニッポン大音頭時代』 大石始著/河出書房社/ISBN(13)978-4309276137 すっかり日本の伝統とばかり思いこんでいた音頭... 続きを読む
2024年7月7日
録音で「やったつもり」練習にならないように
image
私は普段、必要最低限しか鏡は見ません。セルフポートレイトも苦手で、古くはプリクラ、現在ではスマホの自撮りはほとんどやったことがありません。それど... 続きを読む

ブログをすべて見る