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予定調和じゃない想定外の感動~クリスチャン・マークレー展にて

コロナが小康状態になってからすっかり楽しくなったのが、展覧会での鑑賞です。(声を出すわけでもないので、飛沫感染等の恐れも少なく安心だったせいもあります。)

特にこの2年はよく展覧会に通いました。その中でも特に気に入ったのが、「クリスチャン・マークレー/トランスレーティング[翻訳する]」。会期中に2度も東京都現代美術館に足を運びました。(もう2年も経つのですね。)

展示内容を簡潔に言葉にするのは難しいのですが、音楽的な美術、または美術的な音楽ともいえる前衛的なものでした。聴覚の芸術「音楽」と視覚の芸術「美術」の融合はそう容易くないのに、いとも簡単にやってのけているようで大きな衝撃を受けました。加えて前衛的な内容なのに難しくなく、日本のマンガ文化にも影響を受けたクリスチャンの作品は驚くほどポップに仕上がっていて、その親しみやすさにも感心してしまいました。

一般的に抽象的で分かりにくいといわれるモダンアート、かえってその分かりにくさが私にはクセになっています。分からず理解できなくてもまずは作品に触れてみる。すると何が何だか原因不明だけれど作品に魅きこまれる時があり、えも言えない幸福感に包まれます。

この幸福感は起承転結や喜怒哀楽がはっきりしたものからは味わうことのできない想定外の感動で、モダンアートに触れるとその感動にめぐり合うことがままあります。そしてそれは予定調和にはいかない人の営みそのものにも感じられます。

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