鍵盤の奥行き~白鍵と黒鍵の凹凸
ピアノの鍵盤の「奥行き」については普段なかなか意識しないでしょう。鍵盤そのものの奥行きは約15cmです。白鍵だけの手前の部分は約5㎝に過ぎず、黒鍵と白鍵の混ざった奥の部分が約10㎝なので、奥は手前の倍の長さになります。
例えばスキー場では、初心者は傾斜が緩く平らなコースがやはり滑りやすいです。ですが一定のレベルに達すれば、傾斜もきつくコブがある凹凸なコースで滑った方が楽しいわけです。ピアノでも同様で、習い始めたばかりは、手前1/3の平らな白鍵で弾いた方が楽。だから初心者は白鍵だけのハ長調の曲を習うことが多いのです。ですがピアノの醍醐味はやはり白鍵と黒鍵が混在する凹凸な奥の2/3にあります。
そこを弾きこなすのはそう簡単ではありません。指先の凹凸ばかりに気をとられると手全体のバランスも崩れてしまいます。特に親指で黒鍵を弾く時が要注意です。親指を鍵盤と縦に平行に打鍵すると残りの指が鍵盤から離れ、手全体のバランスも崩れてしまいます。肘も下がり、脇も閉じて体全体も硬くなってしまいます。
そこで下図のように親指を横向きに打鍵すれば手全体のバランスが崩れにくくなります。親指は5指のなかで一番力が強く、特に大人の場合は鍵盤に触るだけでも十分な音が出ます。くれぐれもムキにならないよう気をつけましょう。そして残りの指は奥の方(白鍵と黒鍵の混在する凹凸の部分)で打鍵すれば、親指は鍵盤上に乗せやすくなります。