- 春日部で40年。あなたの街の音楽教室。ミュージックファームぷりま

ピアノ・声楽・ギター・バイオリン・フルート・クラリネット

BLOG

黒鍵ペンタトニック 「ゴンドラの唄」(中山晋平)

ゴンドラの唄」(中山晋平)

前回記した山田耕筰は、歌曲の作曲のみならず、日本初の交響曲を作り、交響楽団を率いるなど正統的にクラシック音楽の道を歩んでいきました。

その山田と、同い年で、同じ東京音楽学校出身の作曲家が中山晋平です。(ちなみに1908年に山田は卒業、入れ違いで同年、中山が入学しています。)

中山の歩みは山田とは対照的でした。中山は音楽か文学科で進路に悩む青年で、劇作家の島村抱月の書生を務めました。その傍らに音楽学校に通うという少し変わり種の音楽学校生でした。

その中山の作曲家としてのキャリアは島村主宰の劇団「芸術座」の舞台での劇中歌(現在でいうドラマ主題歌に相当)の作曲から始まります。「カチューシャの唄」「ゴンドラの唄」「さすらいの唄」と立て続けに、レコード・楽譜販売でヒットを飛ばします。今回はその中からペンタトニック(5音階)で作られたゴンドラの唄を取り上げます。

なおこの3曲とも歌唱してレコードに吹き込んだのは、「芸術座」の看板女優、松井須磨子でした。須磨子は1918年にスペイン風邪を患い急逝した島村の後を追ってしまいます。座長と看板女優を失った「芸術座」はそのまま解散します。

ですが中山晋平はこの一連の劇中歌のヒットを足がかりに近代日本の流行歌の礎を築いていきます。

 

1915年(大正14年)6月 松井須磨子歌唱によるレコード(ニッポノホン) 

1952年(昭和27年) 映画「生きる」劇中 志村喬による歌唱

 

 

最新ブログ

2024年4月28日
黒鍵ペンタトニック 「肩たたき」(中山晋平)
image
「肩たたき」(中山晋平) さて中山晋平と子ども達との関りはとても深いものでした。晋平は高等小学校を卒業すると18歳で上京するまでの約2年間... 続きを読む
2024年4月28日
ぷりま音楽歳時記 2-12.へ長調
image
<ヘ長調> ヘ長調は♭が1つ。マッテゾン曰く「寛容さ、忠実さ、愛」。特に管楽器であるホルンが得意とする調で、のどかで牧歌的な曲に用いられる... 続きを読む
2024年4月14日
今月の一冊(本)映画『愛情物語』(1956年)
image
『愛情物語』 今回紹介するのは本ではなく映画です。1956年のアメリカ映画『愛情物語』をお勧めします。実在のピアニスト、エディ・デューチン... 続きを読む

ブログをすべて見る

最新ブログBlog

2024年4月28日
黒鍵ペンタトニック 「肩たたき」(中山晋平)
image
「肩たたき」(中山晋平) さて中山晋平と子ども達との関りはとても深いものでした。晋平は高等小学校を卒業すると18歳で上京するまでの約2年間... 続きを読む
2024年4月28日
ぷりま音楽歳時記 2-12.へ長調
image
<ヘ長調> ヘ長調は♭が1つ。マッテゾン曰く「寛容さ、忠実さ、愛」。特に管楽器であるホルンが得意とする調で、のどかで牧歌的な曲に用いられる... 続きを読む
2024年4月14日
今月の一冊(本)映画『愛情物語』(1956年)
image
『愛情物語』 今回紹介するのは本ではなく映画です。1956年のアメリカ映画『愛情物語』をお勧めします。実在のピアニスト、エディ・デューチン... 続きを読む

ブログをすべて見る