録音で「やったつもり」練習にならないように
私は普段、必要最低限しか鏡は見ません。セルフポートレイトも苦手で、古くはプリクラ、現在ではスマホの自撮りはほとんどやったことがありません。それどころか写真そのものが苦手で、いまだに撮影されると魂が抜かれるという幕末・明治の迷信を信じているのかも…
でも音楽については別で、ここ数年、練習時、自分の演奏を出来る限りハンディレコーダーを使って録音するようにしています。それも譜読みも済んで、ある程度弾けるようになってからではなく、場合によっては片手ずつで練習する時さえ録音することもあります。そんなに自分の演奏が好きなのか?そうではなく、自分の演奏をできるだけ客観的に聴きたいと思っているからです。
演奏をしながらだと実は自分の発生音は思った以上に聴けていません。自身では強弱の差をはっきりつけて演奏したつもりでも、実際は大して差がつかないことがあります。つまり「やったつもり」で思いこんで練習を進めてしまうことがままあるのです。特に疲れているときは要注意で、酷い場合は音も聴かずただ指だけを動かす事態にも…
ですから録音なのです。録音したものをプレイバックすれば、多少は、冷静かつ客観的に己の演奏を聴けます。録音という一工程が加わることで、確かに練習が面倒にはなります。ですが、そこは「急がば回れ」の精神です。結果的には仕上げまでの時間がかなり短縮されるようです。ただ心がけていても、すぐ楽な「やったつもり」練習に戻ってしまうのです。でもまあ、根を詰めすぎても苦しくなるだけなので、気長に取り組んでいこうと思います。