アルファベットのコードネームとローマ数字の和音記号
最近、アナリーゼが楽しくて仕方ありません。アナリーゼとはドイツ語、訳すと「分析」となります。私はとりわけ曲中でどのように和音が使われているかに興味があります。和音の使い方にはオーソドックスな定石もあります。ですが、常にその通りではありません。定石の外し方も作曲家毎、時代毎等で異なってきます。その違いをつぶさに見ることで、それぞれの曲のオリジナリティを改めて思い知らされるのです。
アナリーゼの際、私は大譜表の上部にアルファベットのコードネーム、下部に和音記号を付します。コードネームは和音の絶対値を示すのに便利で、和音の明暗・色合い等読み取れます。ローマ数字の和音記号は和音の相対値を示します。文法でいえば、主語・述語のような和音の機能が分かります。絶対値を示すコードネーム、相対値を示す和音記号を駆使すると和音分析が断然楽になります。
そんな面倒なことをせずに、ただ楽譜通りに指を鍵盤にたどらせれば曲は弾けます。でもそれだけでは、私は「もったいない」」と思ってしまうのです。楽譜は作曲家が残してくれた過去からのメッセージです。ただただ私はそれを余すことなく味わいたいだけなのです。場合によっては勘ぐりすぎで作曲家の意図から外れることもあるかもしれません。でもあれこれ自由に想像を膨らませることが出来ることこそ、現世を生きる特権だと勝手に思っています。
ただ分析をするだけで満足しても仕方ありません。やはり実際に弾いて体感で得られるインスピレーションこそ何より大切にしていきたいと思います。