12の鍵盤全て触りましょう~ナチュラルポジション全調練習
西洋の七音階、長調と短調は、12の鍵盤どの音からでも構成できます。その長短調全24調を身覚えてしまえればこれ程心強いことはありません。教則本「ハノン」の音階&カデンツ(和音)練習で身につけてしまうのが理想ですが、かくいう私も子供時代にとても難儀した練習の一つでした。そのため大人になって趣味でピアノを習い始めた生徒さんに、音階の全調練習をお勧めするのはとても躊躇していました。ただし全調でピアノを弾ければ、12の鍵盤全てに触れることにもなり、指先の感触で鍵盤が覚えやすくもなります。
気軽に無理なく全調練習できるのものはないものか?そこで私が目につけたのが、ブラインドタッチの教則本第1巻です。第1巻の前半は一度所定の鍵盤位置に指をのせれば、そこから動かずに弾けるナチュラルポジションの曲ばかりです。それを12の鍵盤どこからでも弾けるように移調さえすれば、すべての鍵盤に触れることのできる全調練習になるのです。曲は「家路」や「歓びの歌」等、聞きなじみのある12曲を選曲し、そして出来たのが「ナチュラルポジション全調練習」です。(以下の楽譜その一部です。)
調号の♯や♭が多く譜読みが面倒な調もありますが、それはどうぞご安心を。曲毎にどの位置に指を置くかをイラストで明示してあります。ブラインドタッチ1巻を修了した方なら心配ご無用です。移調しても運指自体は変わらないのでこれまでの復習も兼ねられるのです。
また楽譜の右上の隅には「ぷりま音楽歳時記」へリンクするQRコードを掲載しています。そのリンク先には各調の特色や代表曲を学ぶことが出来ます。西洋音楽の「調のしくみ」にまで皆さんの興味が広がってもらえれば幸いです。
「12鍵×12曲=144曲」と教本にまとめると厚くなってしまいますので、レッスン毎にガラポン抽選器を回してもらい、1ページずつ配布していきます。ゲーム感覚で楽しく無理なく全調練習を進めていきたいと思います。