「空気」に「水を差す」~雨垂れ石を穿つ~
私は「場の空気を読む」ことにあまりに理解がないので、その学びのために文庫「空気の研究(山本七平著)」を購入。ずっと「積読(ツンドク)」状態でしたが、ようやく手に取りざっと「粗読」しました。まだまだ理解不足ですが、「空気」の醸成される過程や、それに対し「水を差す」ことの意味合いについて考えさせられました。
今、世界的に「戦争」という脅威的な「空気」が醸成されつつあります。そんな「空気」に「水を差す」ことで何とか阻止したいものです。そしてどうも「音楽」がその「水を差す」ことの一端を担っているようにも感じます。コロナ明け以降、世界情勢は悪化の一途ですが、「音楽界」に限れば今世紀に入って今が最もホットな状況だと個人的には思っています。ジャンル・年齢を問わず音楽家達の躍動は目覚ましく、聴きたくなる音楽が次から次へと溢れ出てくるようです。
きっと世界各地の音楽家たちが意識の有無にかかわらず、今の危険な「空気」を察知して「冷や水を浴びせている」のかもしれません。おかげで世界は最悪の事態から何とか免れ、土俵際で踏みとどまっているのだと個人的には勝手に想像しています。
20世紀のビートルズみたいに世界的に訴求力を持つ強い音楽は現状では生まれにくい状況かもしれません。ただ一つ一つの存在は小さくても、インターネットを中心に音楽の「網」が広く張られています。まさに「雨垂れ石を穿つ」というのが現状だと思っています。私もそうしたエネルギー体の一端を担えるように歩んでいきたいと思います。

