黒鍵ペンタトニック 「SUKIYAKI(上を向いて歩こう)」
「SUKIYAKI(上を向いて歩こう)」~抜粋~
今回はペンタトニックのアメリカ曲の「やや」番外編といえます。アメリカで人気を博した日本の曲「スキヤキ」を紹介。「六八九トリオ」(永六輔作詞、中村八大作曲、坂本九歌唱)でおなじみの「上を向いて歩こう」です。
この曲はまず、1961年の11月から3ヵ月連続で日本のレコードランキングで1位になります。翌年、まずはヨーロッパ各国で紹介され人気に。そして1963年5月「SUKIYAKI」のタイトルでアメリカにて発売。「ビルボード100」で6月15日から3週連続で全米第1位となります。日本の曲が全米を制したのは後にも先にもこの曲だけになります。
では、なぜこの曲がアメリカで人気を博したのでしょうか?これはあくまで私論なのですが、前回紹介したフォスターの曲の構成との類似性を挙げます。フォスターは曲の「起承転結」の「転」以外はペンタトニック(5音階)を用いていましたが、この曲の構成も同じです。「幸せは雲の上に 幸せは空の上に」とのサビ(「転」の部分)以外はペンタトニックで作られています。
明治維新以降、西洋音楽に憧憬を抱き続けた日本の音楽界にとって、この曲の世界的な人気は「坂の上の雲」に到達した瞬間であったといえましょう。