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黒鍵ペンタトニック「大空と大地の中で」(松山千春)

大空と大地の中で」(松山千春)

1970年代のフォーク&ニュー・ミュージックの台頭で、俄然注目されたのがシンガー・ソング・ライターの存在です。従来は作曲家・作詞家・歌手と分業制が一般的でしたが、自作自演の音楽が大幅に増加したのです。その中でこれまで以上に大役を果たすのが編曲家の存在です。

さて今回取り上げるのは、1977年、松山千春のファーストアルバムに収録されたペンタトニック(5音階)の大名曲「大空と大地の中で」です。シングルA 面曲ではないのにも関わらず、松山千春の代表曲の一つとえ言えるでしょう。この曲はスタジオ再録音を2度しています。まずは1998年、シングル「この世で君が一番好き」のカップリング曲として再録されます。そして2006年、デビュー30周年企画アルバム「再生」の中でも再録されました。

1977年のオリジナル版のキーは、上記の変ト長調(嬰へ長調)なので、メロディは全部黒鍵で弾けます。ただしこの調は管弦楽器が響きにくいので、せっかくの名手・青木望の管弦アレンジも鳴りを潜めてしまいます。(ドラム・ベース・ギター・ピアノといったバンドの音が前面に出るのでタイトな響きになる良さもあります。)

一方、再録版のキーは1998年版、2006年版共に半音低いヘ長調なので、管弦のアレンジがよく響きます。

1998年版は「木綿のハンカチーフ」「風の谷のナウシカ」等でもおなじみの「音の魔術師」萩田光雄が編曲を担当。ゴージャスで華麗な管弦アレンジが聞き物です。

2006年版はオリジナルの青木望版を元に、松山千春のツアーのバンマスでもある夏目一朗がさらにアレンジを加えたものと思われます。半音下がっただけで、オリジナルの青木望の管弦アレンジの良さが本領発揮され、とてもよく響くようになりました。たった半音の違いですが、曲の印象は大きく変わるのです。

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