二歩下がって三歩進む
ピアノの上達のコツは「二歩下がって三歩進む」にあると思っています。
ピアノは他の楽器に比べてややハードルが低く、習い始めて両手で弾けるようになるまで、比較的トントンと上昇気流に乗っていきます。が一旦その上昇気流が止むと、第一の大きな壁が立ちはだかります。その時期に個人差はあるものの誰にもそれは訪れるように思います。練習しても練習しても思うように上達せず、ピアノに触れることすらつい嫌気がさしてしまいます。
ピアノは一人でメロディ・ハーモニー・リズムの全てを担います。どの要素も欠かせず、そのバランスが悪ければ、当然不調をきたします。壁にぶつかる時は大体そのバランスが崩れた時に多いようです。そんな壁にぶつかった時にお奨めなのが「二歩下がって三歩進む」練習です。
具体的な例を一つ。両手でどうにか弾けるようになったものの、ところどころでつかえる場合。このような時は一旦、両手練習を止めて片手練習に戻ります。すると意外に弾けていない部分があることに気づきます。(特に伴奏がきちんと弾けていないケースが多いように思います。)片手練習の再点検を終えたら、また両手練習に戻り再チャレンジするのです。
行き詰まったら即、前進を止め「二歩下がる」のがコツです。その時にただ下がるのではなく、問題点を冷静に見直します。着眼点を少し変えてリフレッシュできれば最高です。そしてエネルギーを充分に蓄えたところで、また大きく踏み出し「三歩進んで」いきましょう。