黒鍵ペンタトニック 「ワンサカ娘」(レナウンCM)
昨今、世代を超えて全国的にヒットする曲が出にくくなりました。とはいえ、近々でも「うっせぇわ」がヒット。詞の内容がこの世相を皮肉る面もあり、「滑稽な持ち味」の音楽、いわゆるノベルティソング(コミックソン)の一種と言えます。このタイプの曲は数年おきに流行し、まさに「歌は世につれ、世は歌につれ」といったところでしょう。
ノベルティソングにはペンタトニック(5音階)の四七抜き長音階がよく用いられます。この音階は元々「田舎節」とも呼ばれ、音階そのものにどこかコミカルな雰囲気があるのかもしれません。今回よりしばらく映画・テレビ・CM等で使用される曲で、5音階を用いて作られらたのベルディタイプのものを、懐かしい曲を中心に紹介していきたいと思います。
まずスタートは、懐かしのCM曲、レナウンの「ワンサカ娘」です。1961年に発表され、弘田三枝子やシルヴィ・ヴァルタン等様々な歌手に歌われ、1990年代まで放映され続けたCM界きっての名曲です。時代の変化に応じたアレンジに耐えうる骨太さが5音階のメロディにはあるのでしょう。なおこの曲の作詞・作曲は小林亜星氏。この曲が作曲家としての出世作となりました。
弘田三枝子のバージョン
シルヴィ・ヴァルタンのバージョン