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黒鍵ペンタトニック「ジャングル・ブギ―」(笠置シヅ子/服部良一)

ジャングル・ブギ―」(笠置シヅ子:唄 服部良一:作曲)

1920年代後半にアメリカで流行したピアノによるブルース音楽、ブギウギは1940年代になると、ビックバンド等様々な形態で演奏されるようになり更なる人気となりました。アメリカのその動向を目ざとく、服部はいち早くブギウギを曲作りに取り入れ、1947年「東京ブギウギ」(笠置シヅ子)で爆発的なヒットを放ちます。以降、服部・笠置コンビのブギウギ路線が国内で大流行するのです。

この「ブギウギ」について服部は以下のように回顧しています。

『私の作ったブギでは、最初に書いた「東京ブギ」が一番ブギらしい要素を持っているが、「ヘイヘイブギ」「ジャングルブギ」と段段とその後に続いて書いたブギは、むしろ、ブギ小唄と申したい様な形態を持つたものである。』『笠置君にプレゼントしたブギは、飽くまで旋律的にもリズム的にも解りやすく、多分にブギ的なアクセントを盛り込んで、いわゆるアイノコ丼、ゴモクめし、カツ丼の様に好ましく作られたものである。』<「上海ブギウギ1945 服部良一の冒険」(P.183~184)>

上記譜例の「ジャングル・ブギ―」や「ホームランブギ」、ブギ小唄の真骨頂である「三味線ブギ」(笠置の歌唱ではないが…)等のブギウギ路線では、服部にしては珍しく5音階(ペンタトニック)で旋律を作っています。洋楽派の服部とて、笠置が放つ強烈なドメスティックなパワーには抗うことが出来なかったのかもしれません。

なおこの「ジャングル・ブギ―」の作詞は映画監督の黒澤明。1948年の映画「酔いどれ天使」の劇中歌で、この曲を歌い踊る笠置の姿も作品中で映ります。

ぷりま音楽歳時記 3-6. ロ長調

ロ長調

ロ長調の調号は#は5つ。半音上が調号なしのハ長調で、半音下が♭2つの変ロ長調と人気の調に挟まれていて、どこか隙間に落ちていて陽が当たりにくい調といえます。

<ロ長調の曲>

「夜と夢」D827(シューベルト)

儚く過ぎ去った夜にみた夢を再び乞い願う大変ロマンティックな歌曲。シューベルトな絶妙な選調眼が冴えわたる曲といえます。今回紹介するのは、エリー・アーメリング歌唱、ダルトン・ボールドウィンのピアノ伴奏による1974年の演奏です。

今月の一冊『上海ブギウギ1945 服部良一の冒険』(上田賢一)

『上海ブギウギ1945 服部良一の冒険』(上田賢一)

1944年、服部良一は軍令により上海に渡ります。当時の上海は外国人居留地である「租界」と呼ばれ、国際色が豊かでした。洋楽を志す音楽家にとって戦時中の国内は制限だらけでしたが、「租界」では比較的自由に洋楽を奏でられたのです。現地の中国人作曲家とも交流を深め、戦後、笠置シヅ子の歌唱で花開く服部ブギウギのプロトタイプである「夜来香幻想曲」を披露する等、音楽的な実験が、戦中の上海で繰り広げられたのでした。実に興味深い内容でした。

みんなで和気あいあい♪「黒鍵ペンタトニックアンサンブル」

ピアノの発表会(特に大人の出演者)の場合、主催するこちらの努力不足もありますが、会場の雰囲気が強い緊張感に包まれやすいように思います。

そこで私はコロナ禍で中止せざるをえなかった2020年の発表会では小さな挑戦をしていました。それは演目に連弾を増やしたことです。一人だけで客前に立つのはやはり緊張が強い。でも二人ならば多少は気が楽になるのでは?との思いでした。ですが、この発表会は中止せざるをえず、私の計画は頓挫してしまったのです。その後暫くは「三密の回避」等でそれどころではなくなります。

まん延防止重点措置も解除となり、2024年には完全に日常が戻った段階で、再び当時の挑戦を思い出したのです。コロナ後から発表会も教室で実施することにしました。教室には2台ピアノもあるので、様々な形態での連弾も可能です。以前に増して連弾企画を拡充すべく動き始めたのです。そこで目玉となる企画を思い立ちました。「発表会の参加者全員でピアノアンサンブルをやろう!」「ただし全員での練習機会を別途設けるのは難しいので、その場で出来ることに限ろう!」そして策を練りたどりついたのが、「黒鍵ペンタトニックアンサンブル」です。

このアンサンブルは、弾ける・弾けないの技術差に関係なく誰でも参加できます。メロディを朗々と弾く人がいてもいいし、華麗にアルペジオで伴奏をする人がいてもいい。同じ一音の黒鍵を淡々と弾き続ける人がいてもいいのです。

この楽譜は昨年2024年の秋に実施した「赤とんぼ」での合奏の際に使用した譜面です。伴奏の「2.中音」では白鍵を少しだけ使用しますが、残りは全て黒鍵だけ。

以下そのサンプル動画です。

発表会当日も参加者全員で大変盛り上がりました。そしてこのアンサンブルも今や発表会の恒例行事になりつつあります。

発表会もソロ演奏で緊張しつつも、連弾やアンサンブルで和気あいあい、雰囲気も和やかになってきたように思います。

黒鍵ペンタトニック「アイレ可愛や」(笠置シヅ子:唄 服部良一:作曲)

「アイレ可愛や」(笠置シヅ子:唄 服部良一:作曲)

前回、私は服部良一を中山晋平へのアンチテーゼ的存在であると論じました。戦前の昭和は、中山晋平を筆頭に、その後継に古賀政男が台頭する等、歌謡界は「四七抜き」の5音階での曲作りが保守本流といえました。一方、服部は洋楽的な曲作りを模索していたため傍流的な存在といえました。半音階的な「熊蜂の飛行」でも知られるリムスキー=コルサコフの弟子、ウクライナ人のメッテルに作曲を師事した服部。やはり半音階的な技巧を得意とします。例えば淡谷のり子のブルース路線では自然短音階と和声短音階を組み合わせ、そこで生じる半音の違いを巧みにメロディに組み込みます。なお戦後に作曲した「青い山脈」は自然短音階だけで日本独自の「明るい哀愁」のメロディを書き上げて、服部にとっても集大成的な作品になったといえるでしょう。

しかし話はそう単純ではありません。淡谷のり子同様、やはり服部が作曲を手がけた笠置シヅ子の曲の場合はどうでしょうか?NHK朝の連続テレビ小説「ブギウギ」での劇中歌で使用された上記の曲、歌詞のついた主要部は実は四七抜き長音階で出来ています。戦時中の1942年に発表されたこの曲は、南方戦線のインドネシアの民謡を元に作られました。劇中でも描かれた通り、戦中の慰問公演でも唄われ、戦後1946年に録音されました。明朗快活で天真爛漫な笠置には、5音階はとてもフィットするように思います。

ぷりま音楽歳時記 3-5. ホ長調

ホ長調

ホ長調の調号は#が4つ。作曲家スクリャービンは「緑がかった青」とこの調を色聴しています。「煌びやかなエメラルド色」と色聴したリムスキー=コルサコフとも似通っているように思います。

<ホ長調の曲>

水の戯れラヴェル

モネの絵画「睡蓮」のせいかもしれませんが、印象派での水の色は「緑がかった青」をつい連想してしまいます。それでラヴェルの「水の戯れ」を調べてみるとやはりホ長調!今回はモニク・アースの1968年の演奏を紹介いたします。

今月の一冊『歌う自画像』(笠置シヅ子)

『歌う自画像』(笠置シヅ子)

NHK朝の連続テレビ小説「ブギウギ」も大変面白かったですが、それをさらに上回るのが、この笠置シヅ子の自伝です。まさに「事実は小説より奇なり」を地で行く面白さです。「東京ブギウギ」が流行した1948年、人気絶頂期に笠置が記したもので、戦後の日本社会の生々しさも随所に感じ取ることもできます。

巻末で笠置に寄せる林芙美子、旗一兵、服部良一、エノケンの文章からも彼女の人柄が慕ばれます。

(もっと前に朝の連続テレビ小説の題材になっていてもおかしくなかったのにとも思います。)

ルーティン~日々の小さな変化に目を向ける~

ここ数年で私の生活で習慣化したのが、ウォーキングです。起床してさっと朝食を済ませたら、1時間ほど歩くのがルーティンとなりました。それだけでもだいたい6000~7000歩に達するので、あとは日常の買い物等で歩くだけで、厚生労働省が成人男性に推奨する8000歩には楽々到達します。これがルーティンとなるまで、歩く時間や距離をいろいろ試しましたが、ようやく今の形に落ち着きました。

一旦習慣化すると、朝のルーティンを済ませないと気分的にすぐれません。雨天や猛暑などで多少めげそうにもなりますが、今のところ継続欲が上回っています。今後はこれに筋トレも加えたいと目論んでいます。昨年出来なかった腹筋はようやく出来るようになりましたが、まだまだ習慣化には程遠い状態です。

筋トレの習慣化以上に私にとって喫緊の課題がピアノの練習についてです。さすがにピアノに触れない日はほぼ無いものの、練習の時間帯はまだらで、レッスン仕事の隙間時間に片手間でやったりどうも落ち着きがなくルーティンにはなっていません。ルーティンの良いところは、同じ時間・場所でいつもの決まったことを繰り返す中で、小さな変化に対して敏感になれる点にあると思っています。私のように40年以上のピアノキャリアでは、やはり成長するにもその幅には限りがあると思います。けれど日々の小さな変化に目を向けていれば、わずかでも改善の余地が見つかるかもしれません。そしてわずかにでも成長できればそれに越したことはありません。

はやく「ピアノ練習のルーティンを済ませないと気分がすぐれない」と胸を張れるようになりたいものです。

黒鍵ペンタトニック「冬越え」(細野晴臣)

冬越え(細野晴臣)

このコーナーではこの1年強、「はっぴいえんど」から「Y.M.O.」に至る細野晴臣の経歴を実質たどりました。そもそも私がこの特集を組もうと思ったきっかけが、細野の盟友、大瀧詠一のラジオ番組「日本ポップス伝」パート1の第5夜での以下の発言です。

西篠八十、中山晋平っていうコンビがこの現代歌謡の基礎を作った、礎になったという意味合いでいくと、細野晴臣はこの後、エイプリルフール※から、はっぴいえんど、Y.M.O.といくわけで、まさに中山晋平だったという事がいえると思いますよ。』(※エイプリルフール→細野が1969年にプロデビューした時の所属バンド)

私はてっきり細野は服部良一の系譜の作曲家だと思っていました。服部の音楽に新解釈を施した雪村いづみの名盤「スーパージェネレイション」でも細野は編曲・演奏で参加しています。また近年、細野は服部の代名詞といえるブギウギをライブでもとりあげていたので尚更です。そして私は勝手に服部の存在を、5音階で和洋折衷の音楽を作った中山のアンチテーゼ的だと目していたので、大瀧の発言をいまひとつ理解できませんでした。

けれども細野のメロディを具体的に分析してみると、中山的な5音階で作られている曲が多く、驚きと同時に大瀧の発言の意味がようやく腑に落ちたのでした。ロック/テクノ/ブギウギ等、細野の音楽は表面的には多彩に変貌しますが、それも中山の三要素、流行歌/童謡/民謡にもどこか通底するとも思います。

今回は細野のソロ初期の名曲、「冬越え」(1973年)を紹介します。2019年のリメイク版も併せて紹介します。もちろんメロディはほぼペンタトニック(5音階)で出来ています。

ぷりま音楽歳時記 3-4. イ長調

イ長調

イ長調の調号は♯3つ。この調をリムスキー=コルサコフはバラ色、スクリャービンは緑色とそれぞれ異なった色で色聴しています。この調ではもしかしたら作曲家毎の個性の違いが明確になるのかもしれません。

<イ長調の曲>

クラリネット協奏曲 K.622モーツァルト

この曲でモーツァルトは、一般的なB♭管ではなくA管のクラリネットを用いているため、独自の響きが作り出されています。今回紹介するのは、バーンスタイン指揮のウィーン・フィル・ハーモニーとペーター・シュミードルのクラリネット独奏による1987年の演奏です。

今月の一冊『老後とピアノ』(稲垣えみ子)

『老後とピアノ』(稲垣えみ子)

50歳で新聞社を依願退職したフリージャーナリストが自らのピアノ体験を記したのがこの本。まだ還暦前の著者を「老後」と冠するには少し早すぎの気もしますが、中高年のピアノ体験記であることは間違いありません。

著者の細やかなルポルタージュは、立場が違う教える側の私には見ることのできない風景です。生徒さんの日常をのぞき見するようで大変参考になりました。

「おとなのピアノ」の体験記も一ジャンルとして定番化しつつあるようで嬉しい限りです。

黒鍵ペンタトニック~ピアノで「気晴らし」を

私は野球がどうしようもないほど羨ましく思う時があります。それは野球には「キャッチボール」があるからです。ボール(とミット)さえあれば、特に事前の準備がなくキャッチボールをすることが出来ます。そして互いにボールを捕って投げる単純動作にも関わらず、それは初心者からプロにまで通じる大切な基礎でもあり、たとえどんな技術差があっても誰でも一緒に参加出来るのです。

ピアノでも、先生や生徒での連弾等などで技術差がある同士でも演奏することはできます。ただやはりそれぞれ練習する等、事前準備を要します。「キャッチボール」のようにピアノでもその場で誰でも参加できて楽しむことできないものか?そこで思いついたのが「黒鍵ペンタトニック」です。

特にクラシックのピアノの場合、楽譜というしっかりとした台本があります。台本に忠実に演奏しようと思えば、やはり間違えないように心がけます。間違えないためにも練習が大切です。その練習も重い通りにいくとは限らず、壁にも当たります。その壁を乗り越えても時にはすぐに次の壁が迫ってくることもあります。

もちろん練習で壁を克服し続けるのも大切ですが、変に力んでしまうとかえって上手くいかないことも多いものです。そんな時しかめっ面せず、肩の力を抜いてピアノをシンプルに楽しめる「気晴らし」があってもいいのではないかと思ったのです。そこでこの「黒鍵ペンタトニック」が役立てばと思っています。

具体的なことは今後このホームページでも記していきたいと思っていますので、どうぞお楽しみに。

黒鍵ペンタトニック「戦場のメリー・クリスマス」(坂本龍一)

戦場のメリー・クリスマス(坂本龍一)

Y.M.O.人気が過熱すると、その人気にメンバーは苦しめられることになります。坂本龍一は当時を以下のように述懐しています。

『ぼくはこれまで「無名でいたい、前に出たくない」と思って生きてきたのに、気がついてみれば、道を歩いているだけで指を差されるような人間になっていた。それはまったく予想外のことで、本当に困りました。ほとんど部屋から出ず、人目を避けて閉じこもる生活になってしまった。 ~略~ 状況への憎悪は、やがてYMOへの憎悪につながっていきました。』(坂本龍一『音楽は自由にする』P137~138頁)

過度なメディアへの露出でのストレスがメンバー間の確執をも生みだしたのです。

そんな状況下の1981年、「BGM」「テクノデリック」といった内省的な内容のアルバムを2枚製作し、年末でグループでの活動が一時休止となります。

翌1982年はメンバー各々、ソロで活動します。坂本龍一の個人での活動で特筆すべきはやはり映画「戦場のメリー・クリスマス」です。大島渚監督からの俳優としての出演依頼に対して、坂本は自身が映画の音楽を担当することを条件に受諾します。そして映画音楽「世界のサカモト」の躍進が始まるのです。

上記がこの映画のテーマ曲です。この曲の基礎は二六抜き短音階で出来ています。ただしメロディが上昇したところで、音階の第2音が効果的に使用されます。

なおこの映画が公開された1983年、Y.M.Oは、アルバム「浮気なぼくら」「サーヴィス」を発表し「散開」(解散と同意)します。

ぷりま音楽歳時記 3-3. ニ長調

ニ長調

ニ長調の調号は、#が2つ。以前にも紹介した通り、「Deus」(神)の頭文字を持つ調なので祝祭的な教会音楽に用いられることが多いです。管弦楽が華やかに響くのも特徴です。

<ニ長調の曲>

クリスマス・オラトリオ BWV248(バッハ)

キリスト教の祝祭といえばやはりクリスマス。この曲もニ長調で始まり、ニ長調で終わるまさに祝祭の音楽です。今回紹介するのは、N.アーノンクール指揮で、古楽器オーケストラ、ウィーン・コンツェントゥス・ムジークによる1981年の演奏です。

<前半>

<後半>

今月の一冊『音楽は自由にする』(坂本龍一)

『音楽は自由にする』(坂本龍一)

「教授」というあだ名のせいで坂本龍一をついアカデミックな印象で捉えがちです。ところがどっこい。この自伝中にあるように、クラシック音楽の基礎を修めた後、坂本氏の音楽家としてのキャリアはフォークや演劇等のアングラカルチャーからスタートさせるのです。その後、スタジオミュージシャンを経てY.M.O.のメンバーとして一躍時の人になるのです。

今ではジャンルを横断して活躍する音楽家は増えましたが、坂本氏はまさにそのパイオニア。大きな存在を失ったと今さらながらに痛感します。

新たな音楽との出会いこそ私が音楽を続ける原動力

私自身、40年以上音楽を続けていますが、その原動力が何なのかを最近よく考えます。ピアノを弾くだけだったら、練習でしょっちゅうスランプに陥り嫌気さすので、とてもじゃないけれどここまで続けられなかったと思います。

その点、スランプ知らずで続いているのが音楽を「聴く」ことです。あたかも生きていくためのエネルギー補給のための食事の如く、もはや音楽を「摂取」しているといっても過言ではない気もします。そしてその摂取する音楽ジャンルも雑多です。私自身が演奏するのはもっぱらクラシック音楽なので、一時、摂取する音楽もクラシックに絞ったことがあります。すると偏食が祟ったのか心身に不調をきたしました。やはり栄養バランスが大切で、ジャンルの垣根をこえ雑多に音楽を摂取すると無事に復調して現在に至ります。

自分の好みの音楽ばかりを摂取しても偏るし次第に飽きてきます。そうなると外部からの刺激が重要、そこで以前もこちらでも触れましたが、やはりラジオです。地上波放送をインターネット経由で聞ける「radiko」を私は大変重宝しております。様々なジャンルの音楽番組を週に10近くも聞いて、未知なる音楽との出会いを楽しみにしています。曲名等、放送で聞き逃してもタイムフリーサービスがあるので本当に助かります。

ラジオで知った曲を更にサブスク音楽配信サービスや動画サイトで調べると一層世界が広がります。どうやら新たな音楽との出会いこそが、音楽を続ける私の原動力といえそうです。

黒鍵ペンタトニック「チョコレイト・ディスコ」(Perfume)

ディスコ音楽は多人種ひしめくアメリカで。1960年代にマイノリティのアフリカ系、ヒスパニック系のゲイ・カルチャーから発展したといわれます。1970年に入ると全米でディスコ・ブームとなり、TV番組「ソウル・トレイン」(1971年~)、映画「サタデー・ナイト・フィーバー」(1977年)の人気の影響もあり、そのブームは世界的にも広がります。

さてY.M.O.は1980年6月に3枚目のアルバム「増殖」を発表し、その直後から2度目のワールドツアーに出ます。その中途の11月には先述のTV番組「ソウル・トレイン」に日本人として初めて出演、細野考案の「エレクトトリック・チャンキー・ディスコ」が全米のお茶の間に届けられたのです。

こうしたエレクトリック・ディスコの系譜は案外、息が長く21世紀になった今も途切れません。その代表曲が下記の2006年発表のテクノ・ポップ・アイドル「Perfume」の「チョコレイト・ディスコ」です。曲を手掛けたのは2010年代には「きゃりーぱみゅぱみゅ」でもヒットを連発させた中田ヤスタカ氏。中田氏は通常の7音階から4番目または7番目の音を除きメロディを作るのを得意とします。この「チョコレイト・ディスコ」ではそのどちらも除かれた四七抜き音階でサビが作られていますので、その部分をピックアップしました。

チョコレイト・ディスコ<サビ>

このように7音階から4番目または7番目の音を除きメロディを作る特徴はディスコ音楽全般に見られます。例えば1977年にグラミー賞を獲得した普及のディスコ・チューン、「ハッスル」(Van McCoy and the Soul City Symphony)でのピッコロの旋律も四抜き長音階だったりします。

 

ハッスルのピッコロの旋律→変ト長調の4番目「ド♭」は出てこない

 

 

 

 

ぷりま音楽歳時記 3-2.ト長調

ト長調

ト長調は調号は#1つ。リムスキー=コルサコフは「豊かな金色」とこの調を色聴しています。開放弦で豊かに響かせることが出来るので、チェロの名曲が多いように思います。

<ト長調の曲>

白鳥~動物の謝肉祭サン=サーンス

ト長調でチェロの名曲といえば、やはりこの曲。今回は1962年に録音されたデビュー直後のジャクリーヌ・デュ・プレによる演奏を紹介します。原曲では、ピアノがチェロの伴奏を担当しますが、この演奏ではハープが伴奏を担当します。チェロの音色がより煌びやかに響くように思います。

今月の一冊『共視論 母子像の心理学』

『共視論 母子像の心理学』

前回のエントリーでも触れたこの本の編著は、精神科医の北山修氏、日本語フォークソングの立役者、「ザ・フォーク・クルセダーズ」のメンバーでもあり作詞家でもありました。

フォークソングという舶来の洋楽に対して、いかに日本語でアプローチするか?作詞家として培った経験がやはり舶来の西洋医学における日本語臨床の場で大いに役に立つのです。北山氏は日本独自の浮世絵文化に着目したうえで精神分析にアプローチします。その日本的な切り口には、まったくの門外漢である私でさえ凄みを感じてしまいます。

サイド・バイ・サイドでのコミュニケーション~共視

ピアノをはじめ鍵盤楽器の多くで、奏者は観客に正対しません。つまり観客と目を合わさずに演奏できるのです。フェイス・トゥ・フェイスを得意としない私にとっては、人前で正対してあいさつしたろ、歌ったりするよりピアノを弾く方が緊張はまだましなようです。

さて『共視論 母子像の心理学』(北山修編)という本で知ったのですが、精神療法の臨床やカウンセリングの際は、フェイス・トゥ・フェイスより隣り合って座ってサイド・バイ・サイドで治療者と患者が語り合い、物事を共有するケースが多いそうなのです。確かにその方が思わず気を許してしまう気もします。

そしてこの本では、浮世絵の母子像に多く見られる「共視」という現象に注目します。

『子は母の視線を追い、母の見ている対象を共に見ながら母の発語を聞く。逆に母も子の視線を追い、この見ているモノを共に眺める。~略~そして、くりかえされる共同作業は、本書やその研究で度々指摘されるように、言語習得と文化継承、そして思考の伝達という機能の意味でも重要である』(前褐書P.16)

この「母子像」のサイド・バイ・サイドでの「共視」は、どこかピアノレッスンに相通じると思います。講師・生徒共に、同じ楽譜を眺め、その曲が弾けるようになるために、言語はもちろん、弾いて音楽でもコミュニケーションを図るのです。私はレッスンでのこの「共視」が大変心地よく、つい本音を漏らしてしまうことが多いようです。

黒鍵ペンタトニック「ライディーン」(Y.M.O.)

「ライディーン」(Y.M.O./高橋幸宏作曲)

再びY.M.O.に話題を戻します。1979年8月のロサンゼルス公演の成功で逆輸入的に国内でも人気が出た直後の9月、2枚目のアルバム「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァ―」を発売。国内累計102万枚のメガヒットとなり、その人気は確固たるものになります。

ヒットの要因として、この作品が昭和初期の人気作曲家・中山晋平作品に見られる「流行歌」「民謡」「童謡」の三要素を備えていたことを挙げたいと思います。特に冒頭の三曲にそれが顕著だと思います。

1曲目「テクノポリス」は「流行歌」。作曲した坂本龍一は、ピンクレディーや筒美京平の曲等、当時流行していた人気歌謡曲を分析・研究したうえで、再構築したのがこの曲です。

2曲目「アブソリュート・エゴ・ダンス」は「民謡」。作曲した細野晴臣が得意とするエキゾチックうサウンドで、沖縄民謡をモチーフにしたのがこの曲です。

そして3曲目「ライディーン」は「童謡」。この曲は当時の小学生を中心とした子供に異様なほどに刺さるのです。例えば、1982年放送のドラマ「北の国から」の第13話。北海道・富良野での田舎生活に嫌気が刺した都会育ちの主人公、小学生の純(吉岡秀隆)。久しぶりの東京で旧友の家にてヘッドホンで聴くのがこの曲なのです。当時の流行のほどがうかがえます。

なおこの曲のBメロディは、童謡でおなじみのペンタトニック(二六抜き短音階)になります。

作曲したのはドラムの高橋幸宏。細野の影響下でシンガーソングライターとしての才能を開花させます。そのせいかペンタトニックを用いたメロディ作りを得意とします。

ぷりま音楽歳時記 3-1.ハ長調

ハ長調

この「ぷりま音楽歳時記」も三巡目に入ります。まずは調号なしのハ長調。作曲家リムスキー=コルサコフは「白」とこの調を色聴しています。ピアノは全て白鍵で弾ける調なので思わず納得してしまいます。

<ハ長調の曲>

ピアノソナタ第16番 K.545(モーツァルト)

ソナチネアルバムにも掲載されているお馴染みの曲です。第1楽章、第3楽章がハ長調です。今回紹介するのは、1989年、ロンドンでのライブ映像で、リヒテルの演奏です。照明を嫌ったリヒテル、楽譜や手元を電球一つだけで照らし演奏しています。

今月の一冊『ヤクザときどきピアノ』

ヤクザときどきピアノ

今回は内容が良いのに、タイトル・装丁のせいで損をしているであろうこの本を紹介します。

「サカナとヤクザ」等、暴力団関係の潜入ルポで知られる著者がピアノを習いに音楽教室へ通う体験記です。ABBAの「ダンシング・クイーン」を弾くのを目標にまったくの初心者である著者が発表会で演奏を披露するまでの奮闘記です。

潜入ルポライターならではの実にリアルな筆致に思わずこちらも手に汗を握ってしまいました。

映画を「観」ないで「聴」く楽しみ

最近、2010年公開の映画「シャッター・アイランド」(M.スコセッシ監督、L.ディカプリオ主演)を改めてDVDで観直しました。ミステリー映画で怖いはずなのですが、は話そっちのけで劇伴音楽にやはり夢中でした。劇伴音楽には、ジョン・ケージペンデレツキリゲティ等々、一般的な認知度が高いとは言えない現代音楽の作曲家による作品が用いられているのです。世の中にそう多くはない現代音楽愛好家の私にとっては、映画のBGMとはいえ、2時間強も現代音楽を堪能できる本当に有り難い機会で、異様に気分がアガったのです(映画はミステリー映画なのにもかかわらず)。そして風変りにも映画を「観」ないで「聴」いていたのです。

 

聞きなじみのしない抽象的現代音楽が劇伴の多くを占める中、クライマックスのシーンで、とてもメロディアスな室内楽の調べが流れました。いったい誰の作品か?エンドクレジットを確認すると、後期ロマン派の作曲家、マーラーのピアノ四重奏曲で、若き日の習作で珍しい小品でした。大規模なオーケストラ作品で知られるマーラーの意外な一面を垣間見た気がしました。

そして映画全体で抽象的な音楽が覆う中、一輪の花のような美しい旋律、このセンス溢れる選曲をした音楽監督がロビー・ロバートソンです。ボブ・ディランのバックバンドを務め一躍有名になった「ザ・バンド」のメンバーです。「ザ・バンド」の音楽からは、一見ほど遠いはずの現代音楽での選曲、ロビー・ロバートソンの音楽に対する造詣の深さに興味を持った私は、ザ・バンドからボブ・ディランとこの映画の公開当時に立て続けに聴き漁ったのを思い出しました。

黒鍵ペンタトニック「打上花火」(DAOKO&米津玄師)

「打上花火」(DAOKO&米津玄師)

前回のエントリーで取り上げたY.M.O.が画期的だったのは、コンピューター制御のシンセサイザーやリズムマシンをバンド演奏の中心に据えたことでした。こうした音楽を「テクノポップ」と呼称するようになり、1970年代末にブームとなり、Y.M.O.と同世代(やや下)のテクノ御三家(P-MODELヒカシュープラスチックス)なども一躍人気となります。1980年代になると、歌謡曲の中にもテクノポップの影響は深く浸透していきます。小室哲哉率いるTM NETWORKが人気を博すなど、シンセサイザーの人気は市民権を得ることになります。1990年代になると電気グルーヴ、ケン・イシイテイ・トウワ等も登場し、音響機器を操作して演奏に参加する「DJ」の存在も当たり前のものとなります。

2000年代には、人工音声合成技術「ボーカロイド」が発表され、歌唱そのもののコンピューター制御が可能になりました。インターネット上の動画投稿サイトではボーカロイド作品が数多く投稿されるようになり、その投稿主を「ボカロP」と呼称するようになります。そのなかでもとりわけ人気だったのが、ボカロP「ハチ」こと米津玄師です。2015年にメジャー・デビューし、シンガーソングライターとして台頭します。

上記「打上花火」は2017年に発表、DAOKOとの共同名義のシングル曲になります。大サビの二人の掛け合いと続く間奏がほぼペンタトニック(5音階)で出来ています。前回取り上げた「ファイアークラッカー」も訳せば「花火」、どこかこの現象と5音階とは相性が良いのでしょうか?

なお米津氏は自身の音楽に影響を与えた人物として前記したP-MODELの平沢進の名を挙げています。どうやらテクノポップの系譜は連綿と受け継がれ、現在に至っているようです。

ぷりま音楽歳時記 2-24.二短調

ニ短調

ニ短調の調号は♭1つ。マッテゾン曰く、「むしろ献身的、穏やか、喜ばしく満足感を与える」とのこと。弦楽器の開放弦を有効に使えてふくよかに響く調といえるでしょう。

<ニ短調の曲>

交響曲第9番(ベートーヴェン)

第二楽章を除いて、各楽章の始まりはニ短調です。終楽章の最後は同主調の祝賀的なニ長調の「歓喜の歌」で締めくくります。今回紹介するのは、クーベリック四季、バイエルン放送交響楽団による「あえてのモノクロ・モノラル」で収録の1970年の映像です。

今月の一冊『見えないものに、耳をすます』

見えないものに、耳をすます―音楽と医療の対話-

またしても対談本の紹介です。2017年にEテレ「SWITCHインタビュー達人達」の放送内容に、さらに追加対談、書下ろしを加えて再構成されたのがこの本です。

まず何といっても良いのがそのタイトルです。見た目やビジュアルを重視しがちな昨今、やはり「見えないものに、耳をすます」ことは大切だと思います。

対談主は朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の音楽でおなじみの音楽家・大友良英氏と現在、軽井沢病院の院長を務める医師・稲葉敏郎氏です。

12の鍵盤全て触りましょう~ナチュラルポジション全調練習

西洋の七音階、長調と短調は、12の鍵盤どの音からでも構成できます。その長短調全24調を身覚えてしまえればこれ程心強いことはありません。教則本「ハノン」の音階&カデンツ(和音)練習で身につけてしまうのが理想ですが、かくいう私も子供時代にとても難儀した練習の一つでした。そのため大人になって趣味でピアノを習い始めた生徒さんに、音階の全調練習をお勧めするのはとても躊躇していました。ただし全調でピアノを弾ければ、12の鍵盤全てに触れることにもなり、指先の感触で鍵盤が覚えやすくもなります。

気軽に無理なく全調練習できるのものはないものか?そこで私が目につけたのが、ブラインドタッチの教則本第1巻です。第1巻の前半は一度所定の鍵盤位置に指をのせれば、そこから動かずに弾けるナチュラルポジションの曲ばかりです。それを12の鍵盤どこからでも弾けるように移調さえすれば、すべての鍵盤に触れることのできる全調練習になるのです。曲は「家路」や「歓びの歌」等、聞きなじみのある12曲を選曲し、そして出来たのが「ナチュラルポジション全調練習」です。(以下の楽譜その一部です。)

調号の♯や♭が多く譜読みが面倒な調もありますが、それはどうぞご安心を。曲毎にどの位置に指を置くかをイラストで明示してあります。ブラインドタッチ1巻を修了した方なら心配ご無用です。移調しても運指自体は変わらないのでこれまでの復習も兼ねられるのです。

また楽譜の右上の隅には「ぷりま音楽歳時記」へリンクするQRコードを掲載しています。そのリンク先には各調の特色や代表曲を学ぶことが出来ます。西洋音楽の「調のしくみ」にまで皆さんの興味が広がってもらえれば幸いです。

「12鍵×12曲=144曲」と教本にまとめると厚くなってしまいますので、レッスン毎にガラポン抽選器を回してもらい、1ページずつ配布していきます。ゲーム感覚で楽しく無理なく全調練習を進めていきたいと思います。

黒鍵ペンタトニック「ファイアークラッカー」(Y.M.O.)

「ファイアークラッカー」(Y.M.O.)

さて今回からいよいよY.M.O.(イエロー・マジック・オーケストラ)を取り上げたいと思います。次世代に与えた影響もあわせてみていきたいと思います。

1978年2月、細野晴臣は自身のソロアルバムの録音作業を終えると、そこに参加していたミュージシャン、坂本龍一と高橋幸宏を自宅に招きます。そこで新バンドY.M.O.の構想についてメモ書きを見せ両名に参加を要請します。そこには『マアティン・デニーのオリジナル作品を、シンセサイザーを使用したエレクトトリック・チャンキー・ディスコとしてアレンジした”ファイア・クラッカー”に決定!~略~本邦から初の世界的大ヒットを自信をもってネラッちゃうのであります。目標、400万枚』と記されていました。

なおマーティン・デニーとは1950年代に流行したエキゾチカの代表的なアメリカの作曲家です。非西洋圏に対する欧米人の妄想的な異国情緒を表した音楽がエキゾチカともいえ、Y.M.O.以前の細野のソロ作品「トロピカル三部作」にも多大な影響を与えていました。上記の「ファイアークラッカー」も主要部もペンタトニック(5音階)でその異国情緒間に一役買っています。

この曲のカバーをを含むアルバム「イエロー・マジック・オーケストラ」で1978年11月に国内デビューを果たしますがそこでは余り話題にならず。翌年5月にアメリカ盤が発売され、8月のロサンゼルスでの初の海外公演で成功をおさめると、国内でも大きく報道されるようになりその人気に火が付きます。逆輸入的な人気を背景に、Y.M.O.はテクノポップというポップミュージックの新機軸を打ち立てることになります。

ぷりま音楽歳時記 2-23.ト短調

ト短調

ト短調の調号は♭2つ。マッテゾン曰く、「優しく活気づける。満足を与え、胸を焦がす」とのこと。短調の中ではポジティブな印象の調といえるでしょう。

<ト短調の曲>

交響曲第40番(モーツァルト)

前回のエントリーでも触れたこの交響曲第40番。モーツァルトの交響曲中、短調で作られたのはこの曲を含めて2曲のみで、いずれもニ短調です(もう1曲は第25番です)。今回紹介するのは2006年11月、東京・サントリーホールでのアーノンクール指揮、ウィーンフィルハーモニーによる演奏です。

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