- 春日部で40年。あなたの街の音楽教室。ミュージックファームぷりま

ピアノ・声楽・ギター・バイオリン・フルート・クラリネット

ぷりま音楽歳時記 14.ホ短調

<ホ短調>

ホ短調は、♯が1つ。平行調のト長調と同様に開放弦が使えるので弦楽器で演奏しやすい調。音楽理論家マッテゾンはこの調を「深く沈み考えこむ調」と性格づけてもいます。

<ホ短調の曲>

ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64(メンデルスゾーン)

ホ短調の代表曲といったらまず挙げられるのがこの曲。ドイツロマン派、メンデルスゾーンによる大名作です。今回紹介する演奏は、ヴァイオリンがアイザックスターン、ガリー・ベルティーニ指揮、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団による1986年のライブ録音です

ぷりま音楽歳時記 13. イ短調

<イ短調>

今回より短調です。さて最初は調号なしのイ短調です。同主調が非常に明るいイ長調(♯3つ)なので、そのコントラストで一層悲しみが増すように感じます。

<イ短調の曲>

ピアノ協奏曲 作品16 第1楽章(グリーグ)

ノルウェーの作曲家グリーグによるこの曲、冒頭の劇的なピアノソロは、テレビなど「悲劇的」なシーンのBGMでよく耳にするように思います。今回紹介するのは、ルービンシュタインの演奏。1975年の映像で、当時88歳!翌年には演奏活動から引退、晩年の見事な演奏です。

ぷりま音楽歳時記 12.へ長調

<ヘ長調>

ヘ長調は♭が1つ。この調は、のどかな自然風景を描写するのに適していると思います。どこかオーガニックな雰囲気を感じます。

<ヘ長調の曲>

イタリア協奏曲 第1楽章(J.S.バッハ

この曲は強弱の変化をつけられる2段鍵盤のチェンバロを想定してバッハが作曲。バッハの鍵盤曲には珍しく作曲者本人が、f、pの強弱記号を明記しています。今回紹介する演奏は、カナダのピアニスト、グレン・グールドによる1959年の録音です。

以下この演奏の録音時の模様を記録したドキュメンタリー・フィルムです。

ぷりま音楽歳時記 11 .変ロ長調

<変ロ長調>

変ロ長調は♭が2つ。ドと吹くとシ♭が実音として鳴るB♭(ベー)管を中心に管楽器が得意とする調。ストレスなく気持ちよくブラスが響きます。

<変ロ長調の曲>

展覧会の絵』プロムナード(ムソルグスキーラヴェル

ムソルグスキーが作ったピアノ曲を「管弦楽の魔術師」としても名高いラヴェルがオーケストラのためにアレンジ。冒頭の管楽器トランペットの響きがとても印象的です。1980年4月東京のNHKホールでのチェルビダッケ指揮、ロンドン交響楽団の演奏を今回は紹介いたします。

ぷりま音楽歳時記 10.変ホ長調

変ホ長調

変ホ長調の調号は♭が3つ。管楽器がとても得意とする調です。特に低音楽器は朗々と鳴り響き、その迫力には強い威厳が感じられます。

<変ホ長調の曲>

ピアノ協奏曲第5番「皇帝」第1・3楽章(ベートーヴェン

ベートーヴェンは「ヒーロー」を描く時、好んで変ホ長調を用いて作曲します。この「皇帝」もそうですが、交響曲第3番「英雄」でもこの調を用います。今回はツィメルマンのピアノ、バーンスタイン指揮、ウィーンフィルハーモニーによる演奏を紹介いたします。

ぷりま音楽歳時記 9.変イ長調

<変イ長調>

 

変イ長調の調号は♭が4つ。長調の明るさの中に、深い憂いを潜めている、とても味わいのある渋い調だと、個人的には思っています。

<変イ長調の曲>

ピアノソナタ第8番「悲愴」第2楽章(ベートーヴェン)

味わい深い変イ長調の代表曲として、この曲挙げないわけにはいかないでしょう。今回紹介するのはウラディミール・ホロヴィッツの演奏。指を伸ばして弾くホロヴィッツ独特のタッチとこの曲の相性がとても良いと思います。

ぷりま音楽歳時記 8 .変二長調

<変二長調>

変二長調の調号は♭が5つ。この調もすべての黒鍵を用います。やはりピアノ曲に特有の調ともいえます。淡い幻想的な色合いを感じさせます。

<変二長調の曲>

月の光(ドビュッシー

この調の魅力を余すところなく引き出しているこの曲。淡い月明かりを連想させられます。今回紹介するのは、「ウィーン三羽烏」の一人として名高いピアニスト、イェルク・デームスによる演奏です。デームスは、声楽家フィッシャー・ディスカウのピアノ伴奏でも活躍しました。

ぷりま音楽歳時記 7.変ト長調

変ト長調

変ト長調の調号は♭が6つ。この調を得意とするのがピアノです。他の楽器では、鳴らしにくい調なので、ピアノ特有の調と言えるでしょう。

<変ト長調の曲>

黒鍵のエチュード Op.10-5/ショパン

1923年録音

1933年録音

1942年録音

この曲は1か所を除き、右手全部を黒鍵だけで弾くので、この俗称が用いられています。今回紹介するのは、アルフレッド・コルトーの演奏による歴史的録音。1923年、1933年、1942年に録音したものを聴き比べてみましょう。ハイレゾな現代では考えられない、19世紀的なロマンティックでおおらかな演奏がとても魅力的です。

ぷりま音楽歳時記 6. ロ長調

<ロ長調>

ロ長調の調号は#が5つ。この調は弦・管ともに音が出しにくく不人気です。ピアノも肝心な主音が白鍵なのに、他の音が黒鍵のためとても弾きにくいです。

<ロ長調の曲>

愛の夢 第3番(中間部)/リスト

有名曲での曲探しにはやや苦労しました。辛うじてこの曲の中間部での転調先がロ長調になります。今回紹介するのはホルヘ・ボレットの演奏です。ボレットはリストの孫弟子にあたります。出身はキューバでそのコスモポリタンぶりもリストに通底しているように思います。

ぷりま音楽歳時記 5. ホ長調

<ホ長調>

ホ長調の調号は#が4つ。明るい調ですが、昼間の明るさではなく朝夕の陽ざしを感じさせるように思います。

<ホ長調の曲>

別れの曲 op.10-3/ショパン

この曲の原題は「練習曲 作品10 第3番」とシンプルなものなのですが、この曲を使用したドイツ映画の邦題「別れの曲」(1934年)がそのままこの曲の愛称に。今回はこの映画で演奏を担当したエミール・フォン・ザウアー(なんとかのリストの直弟子)の録音を紹介します。

ぷりま音楽歳時記 4. イ長調

<イ長調>

イ長調の調号は#が3つ。全ての調の中で最も明るい色彩を感じます。弦楽器、A管クラリネットが演奏を得意とする調でもあります。

<イ長調の曲>

ピアノ協奏曲第23番 K.488/モーツァルト

この曲の第1&3楽章がイ長調です。今回紹介するのは、ピアノがルドルフ・ゼルキン、指揮がクラウディオ・アバドによるロンドン交響楽団による演奏。ちなみにゼルキン氏は私の師匠の師匠の師匠にあたります。とてつもなく遠縁ですが、そのピアノの音色に不思議と親しみを感じてしまいます。ロンドン交響楽団の華やかで軽やかな響きが大変心地よいです。

ぷりま音楽歳時記 3. ニ長調

<ニ長調>

ニ長調は、#が2つ。とても明るい調になります。明るさの中に、祝典的な厳かな雰囲気もあるように思います。

<ニ長調の曲>

パッヘルベルのカノン

皆さんご存じのこの曲はピアノ用にもよくアレンジされます。この曲の原題は「三声のカノンとジグ」といい、ヴァイオリン3挺と通奏低音(チェンバロやヴィオラ・ダ・ガンバなどの低音楽器)のために作曲されました。今回紹介する演奏は、パイヤール室内管弦楽団による演奏です。ゆったりとリラックスして聴くのにちょうどいいテンポのように思います。

ぷりま音楽歳時記 2. ト長調

<ト長調>

ト長調は、#が1つ。明るいトーンで健康的な印象があります。弦楽器が鳴らしやすいのも特徴です。

<ト長調の曲>

ゴールドベルク変奏曲/J.S.バッハ

バッハの弟子、鍵盤楽器奏者のゴールドベルクが不眠症で悩む貴族のために演奏したという逸話から、この曲の愛称に。

紹介するのは、この曲を一躍人気曲にした立役者グレン・グールドの演奏。グールドはこの曲をデビュー時にモノラルで、晩年近くにステレオで、二度、スタジオ録音をしています。今回は2度目の録音時に平行して記録された映像を紹介します。(6:20位から演奏が始まります。)

ぷりま音楽歳時記 1. ハ長調

<ハ長調>

ハ長調は、#や♭の黒鍵もなく、すべて白鍵だけで構成されています。純白、純真無垢で、とてもピュアな響きになると思います。(あくまでの主観ですが…)

<ハ長調の曲>

ビル・エヴァンス/ピース・ピース

ジャズピアニスト、ビル・エヴァンスドキュメンタリー映画を観た時に印象に残ったのが、このピアノソロ曲。左手はシンプルな和音伴奏のループで、右手はドビュッシーなどの印象派の作曲家に通じる美しい響きで大変心地のよい曲です。

ぷりま音楽歳時記 はじめに

「ぷりま音楽歳時記」は毎月発行するおたよりの1コーナーです。

普段私たちが接する音楽で主に用いられる音階は、12の長調と短調です。この「12」は日時を表す単位でもあります。

そこでこのコーナーでは12の長調と短調を「季語」になぞらえ、毎月一つの調を取り上げ、その調を用いた音楽を紹介していきます。

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