- 春日部で約半世紀。あなたの街の音楽教室。ミュージックファームぷりま

ピアノ・声楽・ギター・バイオリン・フルート・クラリネット

目に見えぬ恐怖に対して

2020年の2月下旬から、すっかり新型コロナウイルスの猛威が世の中を覆ってしまいました。外出することもままならぬこの事態は、やはり2011年の原発事故を想起させられ、目に見えぬ恐怖をまざまざと思い知らされます。

ただ、これはあくまでも私感ですが、2011年時に比べ今回は世の中の空気がやや殺伐としているようにも感じられます。デマの流布のせいで紙製品が商店から姿を消すなど、軽くパニック状態に陥っているようにも思います。やはり不安や恐怖が人心に悪影響を与えるのは致し方ない面もありますが、極力、冷静にこの事態に向き合いたいものです。

そこで音楽です。目に見えぬ恐怖には、目に見えぬ安らぎとなる音楽で対抗しましょう。自分の好きな曲を聴いて気分を上げても良いですし、ピアノを弾くのに没頭して嫌なことを忘れるのも良いと思います。

音楽は薬のように直接的な効能はありませんが、病を防ぐ免疫力を高く保つには、大いに役立つように思います。うがい・手洗い・不要不急の外出を控えるのはもちろん、免疫力を上げて自己防衛に心がけることが何より大切だと思います。

私もいつも以上に音楽を聴き、ピアノを弾き、心が元気であるようにつとめています。教室に通ってきている皆さんもぜひ、音楽を活用して共に元気にこの事態を乗りきっていきましょう。

※予定していた原稿を急遽さしかえました。いつも以上の乱筆乱文ご容赦ください。)

(2020年3月第6号)

サブスクリプションサービスの恩恵

街にあったCD・レコード店はすっかり姿を消してしまいました。そしてCDプレーヤーで音楽を聴く機会もかなり減ってきたように思います。平成の終わりと共に、CDというメディアも一定の役割を終えたのかもしれません。

とはいえ、音楽そのものはなくなりません。今はインターネットを介して音楽を聴くことが多くなりました。YouTubeやApple MusicやSpotifyなどのサブスクリプション(定額聴き放題)で聴くことが多くなりました。インターネット上には、古今東西あらゆる音楽に溢れ、しかも無料・廉価であげく聴き放題です。かつて限りあるお小遣いを大量のCDで散財してきた私にとって、この状況は痛し痒しですが、本当に夢のような時代になったものだと感心しきりです。

おかげで私の音楽に対する好奇心が一層強くなりました。今までなら、その興味の範囲は自分の知力・財力の限りでしたが、その壁が取り払われ、一気に音楽の世界が広がりました。これまでなら多少興味があっても敬遠していたジャンルの音楽も、今では躊躇なく飛び込めるようになりました。やはり未知なる音楽に出会う刺激は、大きなエネルギーになり、生活が豊かに潤ってきたように感じます。

このように大変便利なのですが、少し心配もあります。インターネットの大海では、どんな音楽も並列されてしまうことです。あるところ、玉石混交の世界とも言えます。ですから、その大海で自由に泳ぐにも、ちょっとした予備知識や整理能力を備えるなどの一工夫が大切かもしれません。

(2020年2月第5号)

言語と音楽でのコミュニケーションの違い

さて、唐突ではありますが、私は直接的な言語コミュニケーションがあまり得意ではありません。特に昨今のSNSのように即時性を求められるものは特に苦手です。言葉では、ある特定の現象をクリアに切りとれるかわりに、その周囲にある微妙なニュアンスは切り捨てられてしまうのではないか?とつい考えてしまいます。ですから、自分の心象にぴったりと合った言葉を見つけるまでが大変で、そこに至るまでどうにも変なストレスをためてしまいます。(私自身のボキャブラリーが豊富になれば済む話ですが…)

言語に比べ音楽は、その点輪郭がとてもソフトで包容力あるのが魅力だと思います。ピアノ等の器楽の場合、自分の感じたままそのままを遠慮なくぶつけてもいい安心感があります。そして音楽コミュニケーションでは、送り手&受け手共にどのように感じとってもいい自由があり、私はそこが気に入っています。ただし輪郭が曖昧さから音楽は明確に事象を伝えるには不向きで、もし待ち合わせの場所や時刻等細々したことを音楽で伝えようとすれば、きっと酷い誤解を生むことでしょう。

インターネットが発達して、すっかり言葉が優位な世の中になってしまったように感じます。言葉にできない微妙な心象が汲み取りにくくなったせいか、社会全体がどうにもギクシャクしてしまっている気がします。こんな今こそ音楽コミュニケーションにおける自由な「美しき誤解」が大切になってくると思います。

(2020年1月第4号)

テレビよりラジオ「ながら聞き」のすすめ

ここ最近、情報収集で俄然、使用頻度が上がってきたのが、レトロともいえるラジオです。

ラジオの最大の魅力は「ながら作業」が出来ることです。散歩しながら、風呂に入りながら、家事をしながら、などなど。主なる作業の妨げになることも少なく、同時に情報収集も出来るので大変重宝しております。

視覚重視のテレビだとどうしても主作業の手を休めて画面に集中しなければならないので、やはり「ながら作業」は難しくなります。

視覚の場合、焦点をきちんと合わせないと対象が見にくいの比べ、聴覚の場合は、焦点がかなり甘いので、一点に集中せずとも対象を聞きとることができます。聴覚のこの性質のおかげで「ながら作業」が出来るのだと思います。

聴覚の芸術、音楽に接する時におすすめなのが「ながら聞き」です。最近はスマートフォンをはじめ、イヤホン、携帯用のスピーカーなど音楽を手軽に聞ける環境が整ってきました。ですから積極的に生活の様々なシーンで「ながら聞き」を取り入れてみてはいかがでしょうか?例えば、気持ちが落ちこんでいる時には、元気で明るい音楽を、怒りで荒ぶるとき時は、穏やかな癒しの音楽をといった具合に。昨今の不安定な気候や世情の中で、せめてメンタルだけでもなんとかバランスを保っていきたいものです。

最後に、音楽は「ながら」で無意識に侵入してきますので、「洗脳」や「集団統制」に活用される恐れもあるのでどうぞご注意を。日常何気なく耳にするBGMも、時には注意深く耳を澄ませると、普段とは違って聴こえてくるかもしれません。

(2019年12月第3号)

深く掘り下げるためのあの手この手

今回は音楽から少し逸れた話から。私が高校生の時に強烈なインパクトを受けたのが、駿台予備校の名物講師であった奥井潔先生の英文読解の授業です。(短期講習のわずか数日間ではありますが。)

課題は数行の短い英文で、表面的な直訳や文法、単語についての解説だけであれば、授業はわずか数分で済むはずです。ですが、奥井先生の講義はそこにとどまりまらずまさに精読の鑑。英語特有の表現をいかに的確な日本語表現に置き換えるか?となると、もはや英語ではなく、国語の講義へと化していきます。また、課題英文は名文ばかりなので、その歴史的背景について解説がはじまれば、もはや英米文学史へと変貌していきます。わずかな英文から、縦横無尽にインテリジェンスのクモの巣を張りめぐらせる先生の講義は、多感な少年期の私には大変刺激的なものでした。

この経験は、その後の私の音楽の学び方に多大な影響を与えました。ピアノの場合、楽譜通りに運指ができてもそれではまだ道半ばです。曲を深く理解するには、やはり反復練習をして掘り下げる必要があります。ただ繰り返すだけではやはり飽きますので、この時の経験を活かし様々な角度から掘り進めるようにしています。例えば、楽曲分析をしてみたり、同じ作曲家の同時代の他の器楽作品を聞いたみたり、同時代の美術作品を鑑賞したりもします。

やはり行き詰る時もありますが、そこは諦めずにあの手この手を尽くしていくと、ある日突然、源泉を掘り当てます。まさに知の泉が湧きだす瞬間です。このブレイクスルーこそ、練習を続けてきた甲斐を感じる時でもあります。そしてその時に身に着けた技術は、どんな曲にも通用する普遍的な底力に繋がるように感じています。

(2019年11月第2号)

「楽云楽云鐘鼓云乎哉」をめざして

今月より毎月おたより出すことにしました。

普段のレッスンではどうしても弾くことの指導に目一杯時間を使ってしまいます。本当は少し脇道にそれて、音楽を聴いてみたり、音楽に関係する本や映画、音楽理論などの話が出来れば、より彩りある充実したレッスンになると常々思っておりました。このおたよりがその役目の一端を担ってくれればと思っています。拙い文章になりますが、どうぞおつき合い下さい。

さて、タイトルの漢文は、孔子の論語からの引用です。読み下すと「楽(がく)と云(い)い楽(がく)と云(い)うも鐘鼓(しょうこ)を云(い)わんや」となり、意味は「音楽、音楽というが、ただ鐘や鼓を鳴らせばよいのではない」と訳せるのだそうです。2000年以上も前の言葉ですが、現在、私達がピアノ弾く場合にも充分あてはまるように思えてなりません。

ピアノは所定の鍵盤を押せば、ひとまず音は出るので、何となく音楽らしくなるまでは比較的簡単な楽器です。ですが、きちんと仕上げようとすれば奥深く、どこまでも掘り下げられる難しい楽器になります。下手にその深みにハマるとすぐに息詰まってしまいます。

上手に「深める」ためにも、同時に進めたいのが「広げる」作業です。CD、TV、ラジオ、インターネット、コンサートなどで積極的に音楽に触れてみましょう。そして未知なる音楽への興味・関心も大きく広げていきましょう。広く知識や経験が培われれば、多少深みにハマったとしても、また別の角度からアプローチして掘り下げ直すこともできます。

このおたよりが、少しでもみなさんの音楽経験を豊かに「広げる」きっかけになれれば幸いです。

(2019年10月第1号)

 

 

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